日本のエネルギー産業の行方

原発を巡って次期エネルギー基本計画の方向性が注目されている。福島第一原発の事故が起きてから、よりヒートアップしている原子力発電所再稼働における論争。2050年までにカーボンニュートラルを達成すべく火力発電の依存割合を減らすため様々な計画が浮上する。

約3年おきに策定されるエネルギー基本計画。おそらく来年頃に第7次エネルギー基本計画の全貌が見えてくるだろう。そこで日本が描く「持続可能な社会」とはどんなものなのだろう。

第6次エネルギー基本計画

中長期的な日本のエネルギーのあり方を定めているエネルギー基本計画。経済産業省がすでに出している第6次計画は気候変動対策のカギとなるようなことが多く記載されているが、未だ先の読めないアバウトな表現が見受けられる。それもそのはず。カーボンニュートラル達成には不確実性なことが多く複数のシナリオを用意し、様々な可能性に備えることが必要だからだ。

そこでこの章では私の思う第6次エネルギー基本計画の要点を簡単にまとめておこう。

最初に忘れてはいけないのが、エネルギー基本政策の基本的視点「3E+S」だ。エネルギー開発には「エネルギーの安定供給(Energy security)」、「経済効率性の向上(Economic efficiency)」、「環境への配慮(Environment)」の3つに加え「安全性(Safety)」が求められ、最大限の取り組みを行うことを基本方針としてまとめている。これらを満たした電力開発は持続可能な開発をするうえで必要不可欠なことは言うまでもないだろう。

次に重要なポイントは2025年のカーボンニュートラルを見据えているということだ。菅政権がカーボンニュートラルを掲げてから目標達成に向け必要なことを洗いざらい明確にしていかなければならない。そのうえで日本政府が意識しているのは「日本の潜在能力」だ。各発電方法にはメリット、デメリットが必ず存在し、コストもかかる。今まで資源小国であった日本は技術面でカバーしてきた。しかし、脱炭素社会を国際基準で推奨している今日。日本は新しいエネルギー構造においての技術革新が求められるに違いない。特に再エネ部門はその国の風土の特性を生かすことこそ「効率性」を最大限にまで高めることができるだろう。

 最後にこれは個人的に注目した箇所でしかないが「複数のシナリオの重要性」に触れている点だ。前半でもふれたがカーボンニュートラル達成までの未知数である問題に対して対応できるいわば「手札」をたくさん持つことこそエネルギー転換をするうえで必要不可欠なことだと感じている。実際、先進的なヨーロッパ諸国は特定のシナリオを定めていない国が多く、選択肢を追及する道筋を描いている。

不安定な国際情勢のもと、この先の日本のエネルギー産業は

 ロシアによるウクライナ進行により化石燃料価格が高騰し、最もコストのかからない発電方法は太陽光であるとも言われている。今まで火力発電が最も発電コストが低いといわれていたがその固定概念はもはや時代錯誤ともいえるだろう。化石燃料が安価で大量に採れない日本は今こそ再生可能エネルギーに重きを置き、開発を進めることが必要かもしれない。産業部門に限らず、最近では電力自由化が進み一般家庭の屋根にも太陽光パネルが多く設置されている。しかしここで言いたいのは「周りが動いているからとりあえず自分も」「国から補助金が出るからひとまず自分も」と粗雑に考えないでほしいということだ。何度も言うが再生可能エネルギーにも影の部分がある。例えば再エネは安定性が低い。そこでエネルギーミックスといわれるように、発電方法の「分散」がマストになる。さらに太陽光パネルを設置する日射量の多い広大な土地も、海底に固定する洋上浮力発電を設置する浅瀬も日本には少ない。あくまでも一例だが、このような情報を整理し、思考することをやめてはいけない。

アメリカの選挙で当選したトランプ大統領がエネルギー価格を引き下げるため石油や天然ガスなどの化石燃料の増産を支援し、海外にもシェアを広げる考えを示していたりと、逆行する可能性を示唆する事例も存在する。そう、まだまだカーボンニュートラル達成には不確実性が伴うのだ。延命措置として原発の再稼働やCCUSの導入においても議論されているが果たしてあなたは何を思うだろうか…。

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