クロネコヤマトのサスティナビリティ
「これもカーボンニュートラルで届くんだ」。
俳優の菅田将暉さんが出演しているヤマト運輸のCMを観たことはあるだろうか。
カーボンニュートラル配送は、ビジネスシーンでの利用も広がっている。その先駆けとしてヤマトホールディングスは2022年においてカーボンニュートラリティを達成したようだ。エネルギー起源におけるCO2排出量の約2割近くを占める運輸部門。大手企業の取り組みは社会変革に大きな影響を与えられるかもしれない。

カーボンニュートラルとは
そもそもカーボンニュートラルの意味はご存知だろうか。一言で言うと「CO2の排出量を実質ゼロにする」と言うことだ。産業工程や運送工程で排出された二酸化炭素と同等の量を吸収することで持続可能な開発を確立している事例の一つと言えるだろう。カーボンニュートラルは企業間、国家間でも達成が求められていて、日本も2020年に菅前総理が2050年までにカーボンニュートラルを達成することを宣言した。
ちなみに「二酸化炭素の吸収」と言われるとピンとこないかもしれないが、人為的なものでいうと植林や森林管理が例に挙げられるだろう。
ちなみにクロネコヤマトは「カーボンオフセット」によりカーボンニュートラルの実現を達成しているようだ。
カーボンオフセットとは
次から次へと横文字が出てきて混乱しているかもしれないが、大切なことなのでカーボンオフセットについても押さえておきたい。
いくら排出量を抑えても二酸化炭素を全く出さないのは難しい。どうしても排出される温室効果ガスに対して、排出量に見合ったその削減活動に投資することにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるということがカーボンオフセットになる。要は排出した分の二酸化炭素に責任を持ち、自ら排出分の金額を支払っているということだ。
裏を返すと、他社の排出分の二酸化炭素の削減に取り組んでいる組織は、その活動による経済的インセンティブを持ち得るということだ。
初めて聞いた人は驚くかも知れないが、今こういった経済的な環境対策のアプローチもかなり普及してきている。
クロネコヤマトのサスティナビリティ
ヤマトホールディングスは様々な持続可能な開発目標を掲げているが、特に今回は環境問題への対策、及び気候変動対策に焦点を絞って紹介をしていく。
カーボンニュートラリティのためにヤマトホールディングスは大きく分けて3つの概要を提示している。
1.宅配便3商品での温室効果ガスの排出を国際規定に沿って算定
宅急便・宅急便コンパクト(60サイズよりも小さな荷物を低価格で配送するサービス)・EAZY(荷物の受け取り方法を選べるサービス)の提供に関連して排出される温室効果ガスを定量化した。
2.温室効果ガス排出量の取り組みと実績
2022年には前年度に比べて5.9%温室効果ガスの排出量削減を達成した。これにより排出量は1.28kg/個となった。こういわれてもピンとこないだろう。そこで取り組みにフォーカスを絞ってみてみよう。まずは再エネの導入だ。ヤマトは再エネの使用率を2030年までに70%にするという目標のもと太陽光発電の設置を始めている。京都府の八幡営業所がモデル店となり活用を進めている。EVへの蓄電など電力平準化システムにより電力使用のピーク時を緩和するなど効率化も重視されている。次にEVの導入が挙げられる。交換式バッテリーを用いた軽商用EVの実証実験を行うなどかなり積極的だ。さらにドライアイス使用量ゼロの運用構築を確立していることだ。冷凍品の輸送に欠かせないドライアイスはご存知の通り二酸化炭素によって構成された固体だ。これをモバイル冷凍機の使用をするなど試行錯誤している。他にも省エネの推奨なども促進しているようだ。


3.宅配便3商品のカーボンオフセット実施
そしてこれが前述したカーボンオフセットの取り組みだ。カーボンクレジットに関してはエネルギーを大量に使用する事業と関連の高い再エネに関するプロジェクトを選定している。
どうだろう、ここまでくるとあのCMの見方が変わってくるのではないだろうか。各企業は必死に環境対策に取り組み、実績を上げつつある。しかし肝心の消費者がそういった情報に耳を傾けなければ誰が評価するというのだろう。今すぐに自分たちの利害に関与しなくとも長期的にみると我々の生活を確実に蝕む環境問題。それに対して、責任を持って改善する企業と同等の責任感を持って評価・推奨をする市民。二者の立場は適切に機能しているだろうか。少しでいいから「環境」という文脈に対する企業努力に目を向けてほしい。


